転職3ヵ月の壁とは？壁にぶつかる理由・対処法を解説！｜長期就労のコツ

働き方やキャリアアップを叶えたくて転職活動をおこない、無事に内定を獲得して入社できた場合でも、当初のやる気が長続きするとは限りません。
特に転職から3ヵ月を迎える頃にモチベーションが大きく下がりやすく、「転職3ヵ月の壁」とも言われています。

そこで本記事では、「転職3ヵ月の壁」について詳しく解説します。
なぜ転職から3ヵ月目でモチベーションが下がるのか、どうすればモチベーションを維持できるのかにも触れるので、ご参考ください。

多くの転職者がぶつかる「転職3ヵ月の壁」とは」

「転職3ヵ月の壁」とは、転職して3ヵ月目頃に迎える急激なモチベーション低下を指す言葉です。
当初抱いていた理想や野望とのギャップを感じやすいタイミングであり、「なぜ転職したのか」という理由を見失いやすくなります。
その結果、モチベーションが下がってやる気を感じられなくなったり、出勤が憂鬱になったりすることも。
深刻な場合は退職を検討するなど、早期離職につながるリスクも抱えています。

また、転職からたったの3ヵ月でモチベーションが下がってしまう自分自身が嫌いになり、大きな自己嫌悪につながることも多いです。
業務への集中力を欠くなど負のループに入りやすく、自分ひとりでは抜け出せなくなるケースもあるので注意しましょう。

転職3ヵ月の壁を感じる5つの理由

転職3ヵ月目頃に感じる壁は、試用期間中に感じるミスマッチや長期就労して感じるギャップとは異なります。
このタイミングだからこそ感じやすい壁があるのです。

下記では、転職3ヵ月の壁を感じる主な理由を解説します。

社風や人間関係に馴染めず孤独を感じるから

転職してすぐ社風や人間関係に馴染めないのは当然といえ、そのまま馴染めない状態が続くと、3ヵ月経つ頃に「このままではマズい」と感じる人が増加します。
「なんとなく居心地が悪い」「いつまで経ってもフランクに話せない」など自分の状態を客観的に自覚できるようになり、やりづらいと感じるシーンも増えるでしょう。
転職したばかりだから仕方ないという言い訳もできず、自分のコミュニケーション能力に自信がなくなることも。

結果、社内に大勢の人がいても孤独を感じやすくなり、先の見通しが立たなくなっていきます。

「入社したばかりの人」に対する配慮がなくなるから

入社したばかりの頃はゆっくりめに仕事を教えてもらえたり、できないことばかりでも大目に見てもらえたりすることが多いはず。

しかし、ある程度社会人経験のある中途採用者であれば、入社から3ヵ月経つ頃には戦力になることが期待されます。
「入社したばかりの人」というフィルターがなくなり、任せられる業務の量も質も一気に高くなっていくでしょう。
既存社員と同じレベルの知識が求められるなど、コミュニケーション面での配慮がなくなることも。

特に支障なくペースアップできるのであれば問題ないですが、それ以外の人には大きなプレッシャーとなるため注意しましょう。

業務面で独り立ちしなければならないシーンが増えるから

戦力になることが期待される転職3ヵ月目からは、業務面で独り立ちしなければならないシーンが増加します。
営業職であれば先輩社員の同行なしで取引先に足を運んだり、ダブルチェックなしで資料制作したりするシーンが増えるでしょう。
個人ノルマが課せられる、担当クライアントが割り当てられる、ということも起こります。

自分のスキルに自信がない人や、十分な教育・研修がないまま転職3ヵ月目を迎えてしまった人は、このタイミングで大きな不安を感じるかもしれません。
仕事に対するプレッシャーの大きさがモチベーション低下につながり、出社が億劫になることも。

転職に求めていた理想と現実とのギャップに気づくから

転職に求めていた理想と現実のギャップに気づくのも、転職3ヵ月目のタイミング。

「福利厚生が充実しているから入社したのに、先輩社員のほとんどが福利厚生を使っていないので申請しづらい」
「聞いていたほど社内コミュニケーションが活発でないし、部署ごとの対立が強い」
など、ミスマッチを実感して転職を後悔することも。
他にもっとよい会社があったのでは？と思考を巡らせてしまい、考えても仕方のないことで頭がいっぱいになってしまうことも珍しくありません。

100％理想通りの会社はほとんどないとはいえ、ギャップがモチベーション低下につながることは多いです。

環境変化によるストレスが体調に出やすい時期だから

転職して働き方や生活サイクルが変わるのは、少なからず心身にストレスがかかります。
最初はどうにか気合で乗り切れていても、ある程度慣れてきた転職3ヵ月を迎える頃にどっと疲れが出てしまうことも。
自分でも気づかないうちに疲労が溜まり、体調に出てしまうことも多いです。

特に、「日勤だけの会社から夜勤ありの会社に転職した」「通勤時間が片道15分から1時間に伸びた」など、転職により条件が大幅に変わった人は要注意。
同じく、業種・職種を変えて未経験分野にキャリアチェンジした人も、ストレスが溜まりやすいので注意しましょう。

転職3ヵ月の壁を乗り越える5つの対処法

転職した人であれば誰にでも可能性のある「転職3ヵ月の壁」は、理由や対処法を知っていれば深刻になりません。
下記で主な対処法を解説するので、今まさに転職3ヵ月の壁に悩んでいる人も、今後転職を検討している人も活用してみましょう。

プライドを捨てて徹底的に教えを乞う

転職したばかりの頃は、プライドを捨てて徹底的に教えを乞うのがおすすめ。
「転職したばかりの人」というフィルターがかかっている間や研修期間を上手に使い、業務で必要な知識を漏れなくインプットしていけば、3ヵ月目以降に独り立ちしたときのプレッシャーを減らせます。

上司だけでなく同僚や後輩にも素直に教えを乞う姿勢でいれば、社内コミュニケーションが円滑になるのもメリット。
周りを味方につけやすく、いざ困ったときの相談先を多く確保できるのもポイントです。

転職面接や事前のミートアップで自分のスキルを盛り気味に伝えてしまった人こそ、素直に教えを乞うのが難しいもの。
しかし、「最初が肝心」と心得て、わからないことをわからないと伝える勇気を持ちましょう。

できないことはできないと明確に伝える

できないことはできないと明確に伝える癖を持つことで、過度な期待やプレッシャーがかかるのを防げます。
前述した「プライドを捨てて徹底的に教えを乞う」にも通じますが、自分がどこまでできて、どこからできないのか正確に伝えることはとても大切です。
できない部分をしばらく肩代わりしてもらえたり、入念に指導してもらえたりするので、自分にとってのメリットにもつながります。

また、「火曜日だけはどうしても18時に帰りたい」「どうしてもアルコールが苦手でソフトドリンクにしたい」などの要望も、早めに伝えておくのがおすすめ。
あらかじめ自分がどんな人か理解してもらえれば、仕事もコミュニケーションもやりやすくなりますよ。

社内にひとりだけでも親しい人を作っておく

社内にひとりだけでも親しい人を作っておくと、心の拠り所となります。
他の人には聞きづらいことを質問できたり、社内体制の実態やリアルな働き方についてリサーチできたり、貴重な情報収集源となることも。
フランクなコミュニケーションができればストレス発散にもなるので、何気ない会話で癒されることも可能です。

なお、ここでの「親しい人」とは、年齢の近い同僚・信頼できる上司・趣味の近い後輩など誰でも構いません。
必ずしも同じ部署である必要もないので、まずは自分が緊張せず話せる相手を見つけてみましょう。

社内コミュニケーションへ積極的に参加する

社内コミュニケーションへ積極的に参加することで、組織に馴染むのを早くできるためおすすめです。

例えば下記のような社内イベントがあれば、遠慮せず参加してみましょう。

いずれも業務の一環として強制されているものでない限り、つい面倒になって参加を躊躇ってしまいがちです。
しかし、参加してみたら思いの他楽しく感じられることも多く、部署を超えたコミュニケーションが生まれるきっかけとして活用できます。

役職も年齢もバックグラウンドも異なる人と会話する機会を作れれば、自分のいる会社を多角的に捉えやすくなるもの。
会社の良い部分を発見するためにも、イベントを活用してみましょう。

転職先のメリットや良いところに目を向けるよう意識する

転職3ヵ月の壁に悩んでいるときは、つい会社の悪いところばかり気になってしまうもの。
そんな時こそ意識的に転職先のメリットや良いところがないか、探してみましょう。

メリットとデメリットを比較し、メリットの方が多いと感じられるのであれば、一度失ったモチベーションも回復します。
また、デメリットが多いと感じたときは本格的に転職を検討するなど、次の一歩を出すきっかけにもなるのがポイント。
ずっと悩んだままでいるより、次に向けて自分がどうすべきか可視化するのが先決です。

転職3ヵ月の壁に悩んだら転職すべき？ケース別に解説！

転職3ヵ月で発覚するギャップやミスマッチが深刻な場合や、明らかに長く働ける企業ではないと判断できる場合、早めに転職するのがおすすめです。
長く居続けてモチベーションを下げ続けるより、早期離職のリスクを取ってでも理想的な環境にシフトする方がよいでしょう。

一方で、今感じている転職3ヵ月の壁が「一時的なモチベーション低下程度」であり、深刻でないときは再度転職する必要はありません。

下記で、主なケース別に判断ポイントを解説します。

明らかなブラック企業だと分かった場合

転職してから明らかなブラック企業だとわかった場合、早めに転職して離れてしまいましょう。
コンプライアンス意識が低い会社、労働安全衛生が徹底されていない会社に居続けると、自分もトラブルに巻き込まれる恐れがあります。

下記に一例を掲載しておくので、ご参考ください。

労働基準監督署などに相談して社内体制を見直してもらうこともできますが、即時の抜本的改革が見込めないケースも多いです。
また、「誰が密告したのか」など探りを入れられて疲れてしまったり、そもそも転職したばかりの会社に対してそこまでの労力を割く価値がわからなかったりすることも。

個人ではなく社内体制に問題があってブラック企業化しているのであれば、早めの転職を決断しましょう。

自分の体調が明確に崩れてきている場合

自分の体調が明確に崩れてきている場合、休職・退職を検討して問題ありません。
特に、下記のような様子があれば注意が必要です。

最初はただの気のせいだと思っていても、根本を掘り起こすと原因が職場のストレスにあった、ということは意外と多いです。
自分の心身について客観的に判断するのは難しく、一時的な気のゆるみだと思ってしまいがちな点にも要注意。

転職3ヵ月の壁が原因で本格的な鬱症状が出ることもあるので、改めてセルフチェックしてみましょう。

社内の人間関係が悪すぎる場合

社内の人間関係が悪すぎる場合も、安心して業務に集中することはできません。
特に、下記のような事実が確認されたときは転職を検討しましょう。

反対に、一部の人や特定の上司とそりが合わないだけであれば、転職は考えなくてよいでしょう。
どの会社にも、自分と合わない人はいます。
他の人と円滑にコミュニケーションできているのであれば、わざわざ早期離職の履歴を残してまで転職するのはリスクです。
今後の人事異動で解消される可能性にも期待できるので、決断を急ぐ必要はありません。

会社に馴染めず困っている場合

会社に馴染めず困っているのであれば、転職ではなく自分の行動を見直すのがおすすめです。
社内イベントに参加して気楽に話せる人を見つけたり、自分のことを理解してもらって社内で立ち振る舞いやすくなったりすれば、居心地の悪さは解消できます。

自分が周りを理解するよう努め、人によって配慮すべきポイントを変えるなど柔軟に動けるようになれば、やりづらさもなくなっていくはず。
会社に根付くには数年単位の時間が必要であると意識し、長い目で馴染んでいくことも大切です。

実力不足から業務面での自信がなくなった場合

実力不足から業務面での自信がなくなったときは、転職ではなく自身のスキルアップを優先します。

その会社ならではの知識が不足しているのであれば、上司や先輩社員から積極的に学び取りましょう。
自分の職種に求められる最低限の基礎知識が不足しているのであれば、市販の参考書や動画教材を使って自習するのも効果的です。
資格取得を目指すなど目に見える結果を追い求めれば、努力が形に現れて自信につながるはず。

どんな職種にも一定の「下積み期間」があることを理解し、本当の意味で自分の仕事に自信が持てるようになるまで努力していきましょう。

理想と現実のギャップが大きすぎる場合

理想と現実のギャップが大きすぎる場合、まずは現実に即した考え方に切り替えるのがおすすめです。

例えば、高い年収・評価を期待して入社したのに求めるレベルに到達しなかった場合、自分の実力不足を疑ってスキルアップを優先します。
同様に、社内の人間関係が悪いと感じたときも、重篤なハラスメント等がなければ自分から積極的に溶け込めるよう努力してみましょう。

それでもどうしてもギャップが解消できそうにないときや、自分にとって特に大切な価値観が満たされないときは、転職を検討して問題ありません。
転職先に求める条件を言語化し、内部事情に詳しい転職エージェント等を活用すれば、ミスマッチなく転職できる可能性が高いです。

悩んだときは、転職エージェントへの相談もおすすめ

転職3ヵ月の壁に悩んだときは、転職エージェントに相談するのがおすすめです。
転職エージェントでは転職希望者に対する求人紹介の他、キャリア構築や転職に関する相談全般を受け付けています。
「転職すべきか迷っている」などの相談もできるので、活用してみましょう。

下記では、おすすめの転職エージェントを紹介します。

リクルートエージェント

リクルートエージェントは、全国最大手レベルの転職エージェントです。
47都道府県全てに対応している他、20代から50代以上まで幅広い層を対象にキャリアアドバイスしているため、実績・経験ともに豊富なのがポイント。
キャリアアドバイザーの経験値も高く、業界ごとに専門的なアドバイスをしてもらえます。

転職サイトやハローワークには掲載されない、希少な非公開求人も多いのでチェックしてみましょう。
土日祝日や夜間のカウンセリングにも対応しているので、本職が忙しい方でも安心です。

マイナビエージェント

マイナビエージェントも全国をカバーしている転職エージェントであり、公開求人数・非公開求人数ともにトップレベルを誇ります。
特に20代30代など若手人材の転職実績が多く、第二新卒や既卒の利用率も高め。
早期離職を不安に感じる人でも転職できる可能性が高く、ネガティブな転職をポジティブに変えるサポートをしてくれます。

転職者一人ひとりに密な連絡や迅速な対応をしており、利用者満足度も高いのでぜひ活用してみましょう。

doda

dodaは、転職サイトと転職エージェントどちらの性質も持つ転職サービスです。
会員登録だけで公開求人は全て閲覧できるようになるため、スピード重視でどんどん応募しながら転職活動を始めたい人は、自己応募を進めましょう。

反対に、プロのキャリアアドバイザーと相談しながら応募先を選定したい人は、dodaのカウンセリングを活用するのがおすすめ。
きめ細かなアドバイスをしてくれるので転職活動の軸がブレることもなく、確実にステップアップできるのが魅力です。

DYM就職

DYM就職は、既卒・フリーター・ニートでも安心して就職・転職できる企業を紹介してくれる転職サービス。
カウンセリングを通して自分のやりたいことを徹底的に可視化できるので転職後のミスマッチも少なく、腰を据えて長く働ける企業を探せます。
扱う求人は東証プライム上場企業からベンチャー企業まで幅広く、偏りがないのもメリット。

面接の日程調整など面倒な交渉事も任せることができ、効率重視の転職活動が可能です。

転職3ヵ月の壁に悩む人の「よくある質問」

最後に、転職3ヵ月の壁に悩むに人から寄せられる「よくある質問」を紹介します。
気になる項目がある人は、目を通してみましょう。

転職先に慣れるまで何ヵ月かかるのが普通ですか？

会社に関するおよその雰囲気が分かるのが、転職から3ヵ月頃と言われています。
具体的な社風や企業風土をリアルに感じられるようになるのが転職から半年頃、年間を通した忙しさや業務のペースに慣れてくるのが転職から1年経った頃です。
さらに自分の仕事に対して自信が持てるようになるには、数年かかることも多いです。

転職3ヵ月の壁に悩んだときは誰に相談すればいいですか？

転職3ヵ月の壁が原因で転職すべきか悩んだときは、転職エージェントに相談しましょう。
丁寧に自己分析しながら自分が会社に求める条件や価値観を可視化できるので、今の会社が理想に合っているか客観的に判断できます。
一時的なモチベーション低下なのか、本質的に合わないのか判断できれば、転職すべきかも見えてきます。

転職3ヵ月の壁を感じて退職するデメリットはありますか？

転職3ヵ月の壁を感じて退職するデメリットは、下記の通りです。

入社から3ヵ月や半年で辞めてしまうのは「早期離職」に該当し、転職時にほぼ必ず退職理由を聞かれます。
よほど説得力のある理由を伝えられない限り、ネガティブなイメージを持たれることもあるので注意しましょう。

考え方次第では「辞め癖」がついたり、会社の良いところに気づく前に辞めてしまったりするのもデメリットです。

転職3ヵ月の壁を感じても働き続けるメリットはありますか？

転職3ヵ月の壁を感じても働き続けるメリットは、下記の通りです。

長くひとつの会社に居続けることで、長年培った人間関係や業務実績を身につけられることがメリットです。
勤続年数も長くなるので、年数に応じて退職金が変わる会社では有利になるでしょう。
つらいときでも簡単に諦めない思考を持つなど、自己成長にもつながります。

まとめ｜多くの人が「転職3ヶ月の壁」を感じている！

「転職3ヶ月の壁」は業種・職種問わず誰でも感じる可能性があり、理想と現実のギャップが大きければ大きいほど深刻な悩みとなります。
明らかに就業し続けるのが難しい場合は、無理せず再転職を検討してよいでしょう。

反対に一時的なモチベーション低下であれば、転職せず在籍し続けましょう。
本記事で紹介した対処法を駆使して壁を乗り越えて、スキルアップや実績づくりを繰り返しながら自信をつけていってくださいね。