「GDNを利用するとどこに広告が配信されるのかを知りたい」
「効果の高い配信面の選び方が分からない」
広告担当者の中には、このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事ではGDNで利用できる配信面の一覧や設定可能なターゲティング、YDAとの違いについて解説します。
この記事を読めばGDNを利用したらどんな場所に広告が配信され、自社がどの配信面に広告を表示すべきかを理解できるでしょう。
GDNを始めようか悩んでいる方はぜひ最後まで見てください。
この記事の内容
GDN(Googleディスプレイ広告)とは
GDN(Googleディスプレイ広告)とは、リスティング広告などが利用できる「Google広告」で運用可能なディスプレイ広告を意味します。
Webサイトやアプリ上のあらゆる場所に広告を掲載でき、ターゲティングの設定次第では自社の求めるユーザーに対して広告を表示可能です。
特定の「人」や「配信面」に限定して広告を配信する「ターゲティング」については後ほど詳しく解説します。GDNの基本的な内容については下記の記事をご覧ください。
GDNとは?YDA(旧YDN)との違いやメリット、費用相場なども徹底解説!
GDNの配信面
GDNの配信面は大きく分けて3つの種類に分類されます。配信面の種類と具体的な掲載場所は下記の表をご覧ください。
配信面の種類 | 具体的な掲載場所 |
Googleの提供しているサービス内 | Gmail YouTube Bloggerなど |
Googleと提携している企業のサービス内 | ライブドア 教えてgoo 食べログなど |
Googleアドセンス利用サイト内 | 個人ブログ Webメディアなど |
この中でも特に注意すべきは「Googleアドセンス利用サイト内」です。
具体的な掲載場所にも記載してあるとおり、GDNは「個人やチームが運営しているブログやWebメディア」など企業に比べると信頼度の劣る配信面にディスプレイ広告が掲載されます。
例えば、自社の広告が「政治に対して強く批判的なメディア」に表示されることは、好ましいことではないですよね。
特定の配信面を除外する方法もありますが、GDNを運用する際には「広範囲に広告が表示されてしまう可能性」をあらかじめ理解しておきましょう。
GDN配信面の確認方法
GDNは広告を配信した後、どこに広告が配信されたのかを確認できます。
下記にてGDN配信面の確認方法を解説していますので、参考にしてみてください。
1.画面左上のプルダウンをクリックし、ディスプレイキャンペーンを選択します。
2.広告の配信先を確認したい「キャンペーン」を選択します。
3.広告の配信先を確認したい「広告グループ」を選択します。
4.「分析情報とレポート」をクリックし、「広告が表示された日時と場所」をクリックすると広告の配信先を確認することができます。
同じ画面にてCVRやCTRなどのデータも確認できるため、ここを見て除外設定をします。
GDN配信面の除外設定方法
先ほども解説したように配信面の確認画面で広告のデータが確認できます。このデータを確認し、効果が悪い場合には同じ画面にて除外設定が可能です。
下記にてGDN配信面の除外方法を解説していますので、参考にしてみてください。
※1〜4までの手順は「GDN配信面の確認方法」と同様です
1.画面左上のプルダウンをクリックし、ディスプレイキャンペーンを選択します。
2.広告の配信先を確認したい「キャンペーン」を選択します。
3.広告の配信先を確認したい「広告グループ」を選択します。
4.「分析情報とレポート」をクリックし、「広告が表示された日時と場所」をクリックすると広告の配信先を確認することができます。
5.除外したい配信先を選択して「編集」をクリック、キャンペーンor広告グループどちらの単位で除外するかを選択します。
特定の種類の広告で除外したい場合には「広告グループから除外」を選び、全体で除外したい場合は「キャンペーンから除外」を選択しましょう。
GDN配信面(アプリ)の除外設定方法
もしアプリ内にも広告を配信している場合は、Google広告の管理画面からは除外設定ができません。
エディターを利用する下記の方法で除外可能です。
1.Google広告のエディターを起動
2.「管理→キーワードとターゲット設定→モバイルアプリ カテゴリ 除外」の順に選択
3.「+除外モバイルアプリ カテゴリを追加」を選択して、除外設定をしたいアプリを選んで完了
GDN配信面の除外を決めるポイント
先ほどから解説しているように、GDNには「特定の配信面」を除外する機能があります。
ただ何の方針もなく感覚的に除外設定をしていると、思わぬうちに「本来除外すべきではない配信面」まで除外してしまうリスクも十分に考えられます。
そこで、GDN配信面の除外を決める際には以下の4つのポイントで判断するのが良いでしょう。
- YDAで設定している配信面
- 明らかにCVが見込めない配信面
- CVRやCTRなど数値が悪い配信面
- CTRの数値が良すぎる配信面
それぞれ解説していきます。
YDAで設定している配信面
GDNを運用している場合、Yahoo!のディスプレイ広告である「YDA(Yahoo!ディスプレイ広告)」にも同時に配信していることも多いでしょう。
GDNの配信面には「YDAの配信面」も一部含まれているため、GDNとYDAを同時に運用している場合には2つの広告が競合になってしまう可能性があります。
2つのディスプレイ広告の課金方式はオークション制であるため、競合が増えれば増えるほど基本的に費用が高くなってしまうのです。
GDNとYDAを同時に運用する場合には、2つの広告が競合にならないようにあらかじめ除外設定をしておきましょう。
明らかにCVが見込めない配信面
GDNの配信面の中には「明らかにCVが見込めない配信面」も存在しているため、そこは結果を見る前に最初から除外設定をした方が良いかもしれません。
例えば、多くの商材においてCVが見込みにくい配信面は以下のような例が挙げられます。
- アダルトサイト
- ゲームサイト
- 政治的なサイト
もちろん配信する広告のジャンルによっては高い効果が出る場合もあるため、自社商材の特徴に合わせて柔軟に設定していきましょう。
CVRやCTRなど数値が悪い配信面
コンバージョン率(CVR)やクリック率(CTR)が低い配信面も除外設定を検討すべきでしょう。
業界によってCVRやCTRの平均値は異なるものの、CVRは2〜3%程度でCTRは0.5〜1%程度が平均だと言われています。この数値と比較して明らかに効果が悪い場合には除外設定を検討した方が良いかもしれません。
ただ、短期的に見て「数値が低い = 除外すべき」とは言い切れないのが難しい部分です。数値が悪いのが配信面の影響なのか、それとも広告クリエイティブの問題なのかの判断は容易ではありません。
広告クリエイティブが改善すれば数値が改善して費用対効果が高くなる可能性もあるため、慎重に行うべきだとも言えます。
加えて広告データがそこまで蓄積されていない場合には注意が必要です。データ量が少ない場合には分析の精度が低くなってしまうため、広告をある程度運用して数値に信ぴょう性が出てから判断する方が良い場合もあります。
CTRの数値が良すぎる配信面
CTRの数値が良いと「自社の商品・サービスに興味を持っている人が多い配信面」と思いがちですが、誤クリックである可能性もあるため注意が必要です。
例えば、平均CTRが1%なのにCTRが5%以上出ているような配信面はPC・スマホで実際に自分の目で配信面を確認するようにしましょう。
誤クリックを誘発させるような広告の貼り方をしている場合、無駄な広告費が発生してしまっている可能性があるので速やかに除外するようにしましょう。
特にディスプレイキャンペーンを開始した直後は様々な配信面に広告が表示されているため、日別で配信先を確認・除外するなど細かい設定が必要になります。
GDNので利用できるバナーサイズ
GDNで利用できる広告の種類は主に以下の2つです。
- バナー広告
- レスポンシディスプレイ広告
バナー広告は「設定した画像のサイズに合った配信面」だけに広告が表示されます。
一方でレスポンシブディスプレイ広告は画像やテキスト、ロゴなどを登録しておけば自動で画像サイズを調整してくれるため、手間をかけずに多くの配信面に対応可能です。
それぞれの種類で利用できる画像のサイズは以下の表をご覧ください。
バナー広告
画像サイズ | PC | スマホ |
120 × 600 | ◯ | × |
160 × 600 | ◯ | × |
200 × 200 | ◯ | ◯ |
240 × 400 | ◯ | × |
250 × 250 | ◯ | ◯ |
250 × 360 | ◯ | × |
300 × 50 | × | ◯ |
300 × 250 | ◯ | ◯ |
300 × 600 | ◯ | × |
300 × 1050 | ◯ | × |
320 × 50 | × | ◯ |
320 × 100 | × | ◯ |
336 × 280 | ◯ | ◯ |
468 × 60 | ◯ | × |
580 × 400 | ◯ | × |
728 × 90 | ◯ | × |
930 × 180 | ◯ | × |
970 × 90 | ◯ | × |
970 × 250 | ◯ | × |
980 × 120 | ◯ | × |
バナーを全てのサイズで用意するのは難しいため、まずはPCとスマホの両面で利用できるサイズの優先度を高めて用意するようにしましょう。
レスポンシブディスプレイ広告
種類 | 推奨サイズ(アスペクト比) | 最低サイズ |
画像(横長) | 1,200 × 628(1.91:1) | 600 × 314 |
画像(スクエア) | 1,200 × 1,200(1:1) | 300 × 300 |
ロゴ(横長) | 1,200 × 300(4:1) | 512 × 128 |
ロゴ(スクエア) | 1,200 × 1,200(1:1) | 128 × 128 |
GDNのターゲティング
GDNのターゲティングは大きく分けて以下の2種類に分類されます。
- 「人」に焦点を当てたオーディエンスターゲティング
- 「配信面」に焦点を当てたコンテンツターゲティング
それぞれ解説していきます。
「人」に焦点を当てたオーディエンスターゲティング
オーディエンスターゲティングは「どんな特徴を持った人に広告を表示するのか」を設定するターゲティングです。
オーディエンスターゲティングも細かく以下のように分類されます。
- ユーザー属性
- アフィニティカテゴリ
- 購買意向の高いユーザー
- ライフイベント
- カスタムセグメント
- データセグメント
- カスタマーマッチ
- 類似セグメント
「配信面」に焦点を当てたコンテンツターゲティング
コンテンツターゲティングは「どこの配信面に表示するのか」を設定するターゲティングです。
コンテンツターゲティングも細かく以下のように分類されます。
- キーワード
- トピック
- プレースメント
オーディエンスターゲティング・コンテンツターゲティングの詳しい内容については以下の記事をご覧ください。
【2024年最新】GDNのターゲティング種類一覧と設定方法などを解説
GDNとYDAの違い
GDNと同時にYDAを運用している、もしくは運用を検討している方も多いのではないでしょうか。
そこで、代表的な2つのディスプレイ広告における「特徴の違い」について解説します。GDNとYDAの違いは大きく以下の2つです。
- ターゲティングの違い
- 配信面の違い
それぞれ解説していきます。
ターゲティングの違い
GDNとYDAのターゲティングは基本的に大きな違いはありません。
ユーザーの年齢や性別などの基本的な特徴をもとにしたターゲティングやリターゲティング(リマーケティング)も可能で、大きな違いはYDAのターゲティング機能の1つである「サーチターゲティング」にあります。
サーチターゲティングとは「特定のキーワード」で検索したユーザーに対して広告を表示するターゲティングです。
例えば、直近〇ヶ月で「引越し」というキーワードで検索したユーザーに対して広告を表示できます。
GDNでも特定のトピックに興味を持ったユーザーに対するターゲティングはありますが、サーチターゲティングのように検索キーワードで指定はできません。
ただ、サーチターゲティングで設定できるキーワードは自分で自由に選べるわけではありません。Yahoo!があらかじめ用意した特定のサーチキーワードしか選べないので注意が必要です。
配信面の違い
冒頭でも解説したようにGDNの配信面は大きく分けて以下の3種類です。
- Googleの提供しているサービス内
- Googleと提携している企業のサービス内
- Googleアドセンス利用サイト内
対してYDAの配信面は以下の2種類です。
- Yahoo!の提供しているサービス内
- Yahoo!の提携している企業のサービス内
つまり、YDAでは個人が運営しているブログやメディアには広告が表示されません。
GDNに比べてYDAの方が広告の掲載される配信面の種類が少ない一方で、信頼性の高いサービス内だけに表示される安心感があります。GDNとYDAの違いについての詳しい内容は以下の記事をご覧ください。
GDNとYDA(旧YDN)とは?バナーサイズやターゲティングなど2媒体の違いを徹底解説!
まとめ:GDNの配信面を理解して最適な場所に広告を掲載しよう!
GDNの広告が表示される配信面は企業のサービス内だけではなく、個人やチームが運営しているブログやメディアなど幅広く存在しています。
つまり広告の配信面を理解しておかなければ、思わぬところに広告が表示されたり、効果の低い場所に掲載されてしまったりするリスクもあるのです。
実際に広告を配信してから除外設定で絞っていくべき配信面もありますが、最初から配信しなくても良いサイトも存在します。
最初から除外設定を行う配信面については商材の特徴やターゲット層によっても異なるため、自社商材のターゲット理解をした上で設定するようにしましょう。