チャットボットを導入する企業が近年増えており、それに伴ってチャットボットツールの種類も増加しています。
そのため、これからチャットボットの導入を考えている企業の中には、以下のような悩みを抱えている企業もあるのではないでしょうか?
「種類が多すぎてどれを選べばいいか分からない…」
「選ぶ際の比較ポイントを知りたい」
そんな悩みを解決するために、この記事では、正しいツール選び・比較のポイントや利用場面別のおすすめチャットボットの紹介、導入のメリットなど詳しく解説しています。
自社にとって最適なチャットボットを見つけることができる内容となっています。
この記事の内容
チャットボットとは?
チャットボットとは、アプリやサイト上でのコミュニケーションをロボットによって自動化できるツールです。
主にカスタマーサポートや社内問い合わせ対応などに活用されており、ユーザビリティの向上などの「マーケティング支援」、社内問い合わせやカスタマーサポートの自動化による「業務効率化」が実現できるサービスです。
チャットボットを導入するメリットとして、以下の5つが挙げられます。
- 問い合わせ対応の自動化による業務の効率化
- コールセンター業務の負荷軽減
- 予約・注文受付における聞き間違え等のミス防止
- 営業時間外の対応や素早い疑問解決によるユーザービリティの向上
- 顧客接点の増加、顧客からのアクション促進によるコンバージョン率の向上
チャットボットの導入は企業側だけでなく、ユーザーにとってもメリットがあります。
チャットボットツール比較表
今回比較した10社のチャットボットについて、用途、タイプ、料金、有人対応と無料トライアルの有無を表にまとめました。
利用用途 | タイプ | 価格 | 無料体験 | |
---|---|---|---|---|
DMMチャットブースト | CVR改善 | シナリオ型 | 完全成果報酬 | ー |
BOTCHAN | CVR改善 | AI型 シナリオ型 |
月額5万円~ | ◯ |
hachidori | CVR改善 | AI型 | 要問い合わせ | ◯ |
sinclo | CVR改善 | シナリオ型 | 月額9,440円〜 | ◯ |
チャットプラス | カスタマー サポート |
AI型 | 月額1,500円~/ID 初期費用0円 |
◯ |
KARAKURI | カスタマー サポート |
AI型 | 要問い合わせ | ー |
HIDEYOSHI | カスタマー サポート |
シナリオ型 | 月額5万円~ 初期費用30万円 |
ー |
Transcope | 社内 問い合わせ |
AI型 | 初期費用無料 月額11,000円~ |
◯ |
OfficeBot | 社内 問い合わせ |
AI型 | 月額10万円~ 初期費用5万円~ |
◯ |
ASBOT | 社内 問い合わせ |
AI型 | 月額15万円 初期費用22万円 |
◯ |
それぞれの詳しい特徴や機能については、後述で解説しています。
チャットボットの比較ポイント
今回比較した製品について詳しく見ていく前に、チャットボットを比較する際に押さえておくべきポイントについて紹介していきます。
比較する上で、確認しておきたいポイントとしては以下の5つがあります。
- 「AI(人工知能)搭載」の有無
- 価格・費用
- 外部ツールとの連携
- サポートの有無
- 無料トライアルの有無
1つずつ解説していきます。
「AI(人工知能)搭載」の有無
チャットボットには、AI(人工知能)が搭載された「AI型」とAI非搭載の「シナリオ型(ルールベース型)」に分類されます。
AI搭載の有無によって、費用や機能面で大きく変わるため、自社がチャットボットを導入する目的を明確にしておく必要があります。
それぞれのメリットとデメリットは以下になります。
種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
AI型 | ■質問の意図を理解し、正確な回答を導き出しやすい
■AI(人工知能)が自動で学習することで回答の精度が上がる |
■運用開始まで時間がかかる
■AIの質によって回答にブレが出る ■シナリオ型に比べて価格が高い |
シナリオ型 | ■設定が簡単で運用開始までの期間が短い
■管理側の意図に沿った安定した回答をすることできる ■AI型に比べて価格が安い |
■設定していない質問には回答できない
■手動でのメンテナンスが必要 |
価格・費用
チャットボットの利用には、基本的に月額費用や初期費用、カスタマイズ費用などがかかります。
AI型とシナリオ型の費用相場としては以下の表を参考にしてみてください。
種類 | 月額費用 | 初期費用 |
---|---|---|
AI型 | 3万〜10万円 | 10万〜50万円 |
シナリオ型 | 1万〜5万円 | 0〜10万円 |
あくまで平均相場ですので、例外の企業も数多くあるのに加えて、カスタマイズやオプションの程度によっては、初期費用や月額費用が100万を超えることもあります。
詳しい金額については、提供各社に問い合わせてみてください。
外部ツールとの連携
外部ツールとの連携ができるかどうかで比較することもポイントです。
近年チャットボットは、Webサイトだけでなく、LINEやFacebookなどのSNS、SlackやChatworkなどのビジネスチャットツールとの連携も注目されています。
チャットボットを導入する目的によって、最適な連携先が異なってくるため、自社に合わせたものを検討していきましょう。
サポートの有無
運用サポートの有無も重要な比較ポイントです。
チャットボットの導入効果を発揮させるためには、運用開始してから一定の期間をかけて回答方法を調整していくことが大切です。
そのため、ノウハウがない状態で自社だけでチャットボットを運用していくのは大変です。運用負荷を抑えたい場合は、サポート体制の優れたものを選びましょう。
また、AI型チャットボットの場合、AIの開発が自社開発か他社開発かによってもサポートの充実度が変わる可能性があります。
自社開発AIの場合は、スピーディで深いサポートが可能ですが、他社開発型の場合、精度向上やカスタマイズの要望に応えきれない場合もあるので、注意が必要です。
無料トライアルの有無
導入前に実際にチャットボットサービスを試せる無料トライアル期間が設けられているかも、比較ポイントとして挙げることができます。
チャットボット導入の経験がない場合、導入した後に設定が難しかったり、分析機能について理解できなかったりで上手く運用できない可能性もあります。
そのため、本格導入前に無料トライアルで実際に使ってみて判断しましょう。
CVRの改善におすすめのチャットボット4選
ここからは、CVRの改善におすすめのチャットボットを紹介していきます。
紹介するチャットボットは以下の4つです。
- DMMチャットブーストCV(株式会社Algoage)
- BOTCHAN(株式会社wevnal)
- hachidori(hachidori株式会社)
- sinclo(株式会社エフ・コード)
それぞれ詳しくみていきましょう。
DMMチャットブーストCV(株式会社Algoage)
項目 | 内容 |
---|---|
運営会社 | 株式会社Algoage |
料金 | 完全成果報酬 |
AI搭載 | × |
無料トライアル | × |
公式HP | https://chatboost.dmm.com/cv/ |
【特徴】
1、初期費用・月額費用0円
初期費用や月額費用は一切かかりません。お支払いはCV獲得分だけの完全成果報酬型の料金プランを採用しているため、安心して導入することが可能です。
2、必要工数はほぼゼロ
チャットボットの知見やノウハウを有した専門チームが初期設計からその後の運用も行うため、導入にかかる工数がほぼかかりません。知識がなくて不安な方でも安心して導入することが可能です。
3、LINEで新規顧客を獲得!最適なアプローチを実現
LINEチャットボットによる接客で新規顧客をCVに導きます。またメッセージ配信ごとの顧客の反応を計測、分析し最適なアプローチを実現させます。
4、導入実績
美容、不動産、教育系サービスなど導入実績は様々で大手企業も続々と利用しているのが最大の魅力です。
BOTCHAN(株式会社wevnal)
項目 | 内容 |
---|---|
運営会社 | 株式会社wevnal |
料金 | 月額5万円~ |
AI搭載 | △(プランによる) |
無料トライアル | ◯ |
公式HP | https://botchan.chat/ |
【特徴】
料金体系としては、月のCV(成約数)に応じて料金が変動する準成果報酬型を採用しており、チャットボット内で決済までを完了できる国内有数の機能を備えています。
導入後は専属のカスタマーサクセス部署による安心したサポートを受けることができます。
不動産、教育、美容、金融など多種多様な業界での導入実績があり、それぞれの特色に合わせた最適なマーケティング施策を実現することができます。
hachidori(hachidori株式会社)
項目 | 内容 |
---|---|
運営会社 | hachidori株式会社 |
料金 | 要問い合わせ |
AI搭載 | ◯ |
無料トライアル | ◯ |
公式HP | https://hachidori.io/ |
【特徴】
大手企業・スタートアップ・自治体など業界・規模を問わず、7,000件を超える開発実績を持ち、「リード獲得」「顧客関係構築」「カスタマーサポート」「社内ヘルプデスク」など様々な用途のチャットボット開発に対応しています。
国産初のチャットボット開発ツールで、LINE、LINE WORKSの認定パートナーという信頼性も兼ね備えています。
sinclo(株式会社エフ・コード)
項目 | 内容 |
---|---|
運営会社 | 株式会社エフ・コード |
料金 | 月額9,440円〜 |
AI搭載 | × |
無料トライアル | ◯ |
公式HP | https://chat.sinclo.jp/ |
【特徴】
sincloは、CVR改善にも問い合わせ対応にも活用できる100%自社開発のチャットボット。基本的なチャットボットの機能に加え、サイト訪問者の「離脱防止」機能や、メールの署名をコピペするだけでAIが自動で解析してまとめてくれる「一括ヒアリング(署名整形)」機能など、ユーザーの様々なニーズに対応できる機能の充実度が魅力です。
料金は、サイトへの設置数無制限の月額定額制を採用しています。
カスタマーサポート対応におすすめのチャットボット3選
ここからは、カスタマーサポート対応におすすめのチャットボットを紹介します。
紹介するチャットボットは以下の3つです。
- チャットプラス(チャットプラス株式会社)
- KARAKURI(カラクリ株式会社)
- HIDEYOSHI(株式会社AIコミュニケーション)
それぞれの特徴を見ていきましょう。
チャットプラス(チャットプラス株式会社)
項目 | 内容 |
---|---|
運営会社 | チャットプラス株式会社 |
料金 | 月額1,500円〜/初期費用0円 |
AI搭載 | ◯ |
無料トライアル | ◯ |
公式HP | https://chatplus.jp/ |
【特徴】
チャットプラスは初期費用0円、月額1,500円から運用できるAI搭載型チャットツールです。
導入会社は2019年時点で10,000社を超え、導入実績は業界NO.1を達成しています。
業界最安値の料金にもかかわらず、サポートの充実に加え、LINE連携、AI搭載、デザイン設定など機能も充実しています。
また、豊富な実績によるノウハウで、誰でも簡単に設定・運用できるのも魅力的な特徴になっています。
KARAKURI(カラクリ株式会社)
項目 | 内容 |
---|---|
運営会社 | カラクリ株式会社 |
料金 | 要問い合わせ |
AI搭載 | ◯ |
無料トライアル | × |
公式HP | https://karakuri.ai/ |
【特徴】
KARAKURIは、東大大学院人工知能研究チームが開発した高精度なAIチャットボットで、カスタマーサポートに特化した、多彩な機能を持っています。
少ない教育データで精度を向上させることが可能となっており、従来のチャットボットに比べメンテナンス時間を1/3以下まで削減可能。
導入前の業務設計フェーズから、シナリオやQ&Aの会話設計、AIの回答精度向上まで、専門スタッフによる万全のサポート体制を用意しているのも魅力の一つとなっています。
HIDEYOSHI(株式会社AIコミュニケーション)
項目 | 内容 |
---|---|
運営会社 | 株式会社AIコミュニケーション |
料金 | 月額5万円~/初期費用30万円 |
AI搭載 | × |
無料トライアル | × |
公式HP | https://hideyoshi-chatbot.jp/ |
【特徴】
HIDEYOSHIは、開発元である株式会社AIコミュニケーションによる10年間のWEB制作ノウハウを活かして、面倒なシナリオ設計・構築から導入後のデータ分析でCVR(お問い合わせ率)向上まで全部まるごとお任せできる「おもてなしチャットボット」です。2022年にリリースされ、2か月で導入数100件を達成、『経営者が選ぶチャットボット導入推奨度』No.1も獲得しています。
株式会社AIコミュニケーションは、DXマーク認証企業のWeb制作会社のため、Web制作からマーケティング支援まで一貫した提案も可能になっています。
また、独自のハッシュタグ機能を搭載し、類似質問をまとめて表示させることができるため、ユーザーの満足度を高めて離脱防止にも役立ちます。
社内問い合わせ対応におすすめのチャットボット3選
最後に、社内問い合わせに対応可能なおすすめチャットボットを紹介します。
紹介するチャットボットは以下の3つです。
- Transcope(シェアモル株式会社)
- OfficeBot (ネオス株式会社)
- ASBOT(アルプスシステムインテグレーション株式会社)
それぞれ特徴をみていきましょう。
Transcope(シェアモル株式会社)
項目 | 内容 |
---|---|
運営会社 | シェアモル株式会社 |
料金 | 要問い合わせ |
AI搭載 | ◯ |
無料トライアル | ◯ |
公式HP | https://transcope.io/ |
【特徴】
Transcopeは社内情報を学習させることで社内の情報を迅速に見つけ出すことや社内情報を基にした文章作成を自動で行ってくれる文章作成AIツールです。
また社内情報だけでなく、ブログ記事や業界の専門用語などの情報を学習させることでそのまま記事制作に反映することやお客様専用のメール文章の作成に活かすことが可能です。
文章作成にはOpneAI社の最新APIであるChatGPT4を利用しているため、高品質な文章作成を時短かつ効率的に行うことが可能です。
OfficeBot (ネオス株式会社)
項目 | 内容 |
---|---|
運営会社 | ネオス株式会社 |
料金 | 月額10万円~/初期費用5万円~ |
AI搭載 | ◯ |
無料トライアル | ◯ |
公式HP | https://officebot.jp/ |
【特徴】
OfficeBotはバックオフィス特化型のAI搭載チャットボットです。これまで必要だったシナリオ設計や学習の作業が、FAQを登録するだけで、AIがパターンを予測して、自動生成してくれます。そのため、導入後の短い期間で高精度の回答を出せるのが特徴です。
他にも、聞き返し機能や英語・中国語・韓国語などの多言語機能など、ユーザー満足度を高める機能を豊富に搭載しています。
ASBOT(アルプスシステムインテグレーション株式会社)
項目 | 内容 |
---|---|
運営会社 | アルプスシステムインテグレーション株式会社 |
料金 | 月額15万円/初期費用22万円 |
AI搭載 | ◯ |
無料トライアル | ◯ |
公式HP | https://portal.alsiasbot.com/ |
【特徴】
ASBOTは、社内の幅広い業務を効率化することができるAI搭載型のチャットボットです。社内システムやサービスと連携し、AIとチャットでやり取りを行うだけで、情報の検索や面倒な申請処理を簡単に行うことができます。
KintoneやSalesforceなど15以上の外部システムと簡単にAPI連携できる機能が特徴的です。
月額固定で利用ユーザー数とチャット回数に上限はなく、基本機能も全て使えるため、社内全体の業務効率化に役立てることができます。
チャットボットを導入する際の4つの注意点
ここまで利用場面別のおすすめチャットボットを紹介してきましたが、チャットボットを導入する際は、いくつか注意点があります。
今回紹介するチャットボット導入時の注意点は以下の4つです。
- 導入準備に時間がかかる
- 業務の効率化だけでなくユーザーのメリットも考える
- 導入後もメンテナンスが必要
- 導入が向かないケースもある
それぞれの注意点について解説していきます。
導入準備に時間がかかる
シナリオ型のチャットボットの場合、予想される質問に対する答えをシナリオとして作成しておく必要があります。
AI型の場合、チャットボットを利用したユーザーのデータをもとにAIが自動学習していくため、精度の高い回答ができるようになるまで、時間をかけてデータを集める必要が有ります。
このように、チャットボットの導入には準備の時間がかかることを覚えておきましょう。
チャットボットによっては、シナリオ設計出来ているものや、ある程度の学習が済んだ状態のAIを搭載したツールもあります。そのため、導入にあまり時間をかけたくない場合は、導入フローや搭載AIについても比較時点で確認しておくのがおすすめです。
業務の効率化だけでなくユーザーのメリットも考える
チャットボットの導入は、前述で紹介したように企業側に大きなメリットがあります。
しかし、チャットボットの導入はユーザーにとってもメリットがあると言えます。
考えられるメリットとしては、以下のようなものが考えられます。
- ちょっとした疑問についてわざわざ電話で問い合わせる必要がない
- 企業側の返信を待つことなく24時間365日いつでもすぐに回答が得られる
- 相手が機械であるため画面上で気軽に質問できる
これらのメリットに応えたチャットボットでなければ、ユーザーにとっては不便になるため、逆に信頼を失ってしまう可能性もあります。企業側の業務効率化だけを意識してしまうと、業績の悪化に繋がってしまうといったケースも起こり得ます。
チャットボットの導入は、ユーザー目線でのメリットもしっかり考慮して検討するようにしましょう。
導入後もメンテナンスが必要
チャットボットは導入したら終わりではなく、導入後のメンテナンスも重要です。
とは言っても、ノウハウがないと自社でメンテナンスを行うのは難しいことです。
そのため、ツールによってはメンテナンスや定期チェックの実施、チューニングも行ってくれるサービスがあるので、自社でのメンテナンスが不安な方は比較の際にサポート面も確認しておきましょう。
導入が向かないケースもある
企業によってはチャットボットを導入しても思ったような効果が得られないという可能性もあります。
チャットボットの導入が向かない可能性があるケースとしては以下の3つが考えられます。
- 問い合わせ内容がユーザーや顧客によって全く異なる
- そもそもWebサイトへのアクセスや問い合わせの数が少ない
- 登録するFAQが数百件以上と膨大
特に3つ目に関しては、AIチャットボットよりもAI搭載のFAQシステムをおすすめします。
チャットボットの中にはFAQ機能が搭載された製品もあるため、機能性や予算などを考慮して検討しましょう。
まとめ
この記事では、多岐に渡るチャットボット製品の選び方やおすすめのチャットボットツールについて紹介してきました。
まずは、自社がなぜチャットボットを導入するのかといった目的を明確にし、その上で必要な機能やタイプを比較検討するようにしましょう。
また、チャットボットは導入したからといって勝手に効果を発揮してくれるものではありません。自社にあった正しいツールを選び、適切に運用していくことが大切です。
チャットボットの導入を検討している企業は、この記事を参考に、正しいチャットボット選びを行いましょう。