商品や顧客、売上、在庫情報を記録・集計して一元管理するシステムのPOSレジ。中でもタブレットPOSレジは、充実した機能に加えて持ち運びしやすさが魅力です。
その他のPOSレジと比較しても安く導入しやすいため、気になっている方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、タブレットPOSレジの費用相場ととくにコスパが良い製品をご紹介します。タブレットPOSレジの導入を検討している方はぜひ参考にしてください。
タブレットPOSレジとは?
タブレットPOSレジとは、iPadなどのタブレット端末にPOSシステムをインストールし、会計機能などを持たせたシステムのことです。多機能なのが魅力で、主な機能としては会計機能以外に商品管理や在庫管理、売上管理なども可能です。
POSレジには、大きく分けて、「パソコン型」「据え置き型」「タブレット型」があります。
パソコン型は、パソコンにPOSシステムをインストールするタイプ、据え置き型は従来型に近い形態のレジにPOSシステムが搭載されているタイプのPOSレジです。
タブレットPOSレジはほか2つのPOSレジに比べ、コストを比較的安く抑えられ、持ち運びや設置がしやすいことが特徴です。
タブレットPOSレジとその他POSレジの費用相場
タブレットPOSレジとその他のPOSレジにおける費用相場を、以下の表にまとめました。
導入価格 | ランニングコスト | |
---|---|---|
タブレットPOSレジ | 約20〜30万円 | 無料〜約20,000円 |
パソコン型POSレジ | 〜約50万円 | 約5,000円〜30,000円 |
ターミナル型POSレジ | 約50〜100万円 | – |
それぞれ詳しくご紹介します。
※2023年11月時点の情報。最新価格やセールなどは各メーカーの公式ホームページを確認してください。
タブレットPOSレジの費用
タブレットPOSレジの費用は、本体代が約2〜10万円、周辺機器購入代が約3〜10万円、これに月額利用料等を合わせて約20〜30万円です。
タブレット本体には、会計機能はついていません。そこでバーコードスキャナやキャッシュドロワーなどの周辺機器は別途で購入する必要があります。
ただ、すでにタブレットを所持している場合や、月額無料のサービスを導入した場合は、費用を安く抑えることができます。
パソコン型POSレジの費用
パソコン型POSレジの費用は、本体代を含む初期費用が最大約50万円、月額利用料が5,000円〜3万円程度です。
タブレットPOSレジ同様、周辺機器は別途必要になりますが、すでにパソコンを持っていれば初期費用を抑えられます。
ターミナル型POSレジの費用
ターミナル型POSレジの費用は、本体代として約50〜100万円かかります。
他2つと比べると導入費用は割高です。しかし、バーコードスキャナやキャッシュドロアといったPOSレジに必要な機能はすべて搭載されています。
よって、周辺機器を別途購入する必要はなく、月額費用もかかりません。
タブレットPOSレジの周辺機器の費用相場
タブレットPOSレジを導入する際に必要となる、主な周辺機器の費用相場は以下のとおりです。
バーコードスキャナー | 約5,000円~5万円 |
---|---|
キャッシュドロワー | 約1~3万円 |
カード決済端末 | 約5,000円~5万円 |
スマホ決済端末 | 約2~7万円 |
レシートプリンター | 約1~8万円 |
高性能モデルになればなるほど価格が上がる傾向にあるので、経営状況と自店舗に必要なシステムを鑑みたうえで選ぶとよいでしょう。
タブレットPOSレジのメリット3つ
タブレットPOSレジには、主に以下3つのメリットがあります。
- 低コストで導入・運用できる
- 手軽に持ち運びできる
- データの一元管理・分析に役立てられる
低コストで導入・運用できる
パソコン型POSレジ、ターミナル型POSレジに比べると、低コストで導入・運用できるのがタブレットPOSレジのメリットです。
周辺機器代は必要になりますが、本体機器代は比較的安く、すでに所持していれば新たに費用がかかることはありません。
手軽に持ち運びできる
タブレットPOSレジは、iPadをはじめとするタブレットにPOSシステムをインストールして利用するため、手軽に持ち運べます。
設置が手軽に行えるうえに、移動時にも大きな負担はかかりません。
小売業や飲食業のように、イベント開催頻度が多い業態では、レジを持ち運ぶ機会が多いでしょう。
そうしたケースでは、タブレットPOSレジは重宝されます。
データの一元管理・分析に役立てられる
タブレットPOSレジでは、売上データの一元管理や分析ができるのも大きなメリットです。
どの商品がどれくらい購入されたかや、売上目標に対する達成率なども可視化できます。
商品の開発やマーケティングなどにも役立てられるでしょう。
タブレットPOSレジのデメリット2つ
タブレットPOSレジのデメリットには、以下のようなものがあります。
- Wi-Fi環境が必要になる
- 情報漏洩のリスクがある
Wi-Fi環境が必要になる
タブレットPOSレジを利用する場合、インターネット環境が必要になります。というのも、タブレットを使用したデータの集計や保存は、インターネットに接続しないと行えないためです。
業態問わず、タブレットPOSレジを使用する場合は、店舗内にWi-Fi環境も用意しなければなりません。
情報漏洩のリスクがある
インターネットに接続して使用する以上、情報漏洩のリスクはどうしても発生します。
情報漏洩を避けるには、アクセス制限やパスワード設定などのセキュリティ対策を強化する必要があります。
システムを導入するにあたっても、セキュリティ対策が取れたものを導入しましょう。
タブレットPOSレジの費用以外の選び方
タブレットPOSレジを選ぶ際は、費用以外にも以下のポイントに注目してみてください。
- 目的に合った機能の有無で選ぶ
- 取り扱う商品数で選ぶ
- 導入台数で選ぶ
- カスタマイズ性で選ぶ
目的に合った機能の有無で選ぶ
タブレットPOSレジには、基本の会計機能をはじめ、商品によってさまざまな機能が搭載されています。
在庫管理や顧客データ管理、勤怠管理など多々あるので、店舗の経営に必要な情報を管理できる機能が搭載されたモデルを選ぶのがおすすめです。
もし最低限の機能しか必要ないのであれば、ハイスペックなプランを選ぶと無駄にしかねません。運用コストも考え、本当に自店舗に必要な機能のみが搭載されていることを重視しましょう。
取り扱う商品数で選ぶ
取り扱う商品数によっても、適したタブレットPOSレジは異なります。
POSレジには、管理できる登録数に上限が設定されている場合があります。
例えば、10,000種類の商品がある場合、5,000種類までが上限となっている機器では管理しきれません。円滑な管理もできないでしょう。
反対に商品数が少ない場合は、最低限の機能のみで十分なケースもあります。あえて多機能モデルを選ばないことで、コストを抑えることにもつながります。店舗規模や商品数も判断材料の一つにしてみてください。
導入台数で選ぶ
1店舗内に何台のレジを導入するかで選ぶことも大切です。
導入数が多ければ多いほどコストがかかるため、なるべく初期費用やランニングコストを抑えられるものを選ぶべきです。
一方、1台のみでいい場合は、コストを分散させなくて済むので費用が高めのレジも候補に入るでしょう。実際の利用シーンをイメージしたうえで、台数や導入するレジの機能を選んでみてください。
カスタマイズ性で選ぶ
豊富なオプションやプランを選べる、カスタマイズ性の高さも確認しておかなければなりません。販売形態や店舗の規模が変わった場合でも、状況に合わせてカスタマイズできると便利です。
カスタマイズができないモデルだと、機能が物足りないながらも現状維持で我慢するか、新たに費用をかけて新たなレジを導入しなければなりません。
無駄なコストをかけないためにも、カスタマイズ性の高いレジであるかはしっかりチェックしておきましょう。
タブレットPOSレジのおすすめ9選
ここからは、おすすめのタブレットPOSレジ9選をご紹介します。費用とあわせて、対応OSやサポートについてもチェックしてみてください。
スマレジ
初期費用 | 無料※周辺機器別売り |
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料金プラン | スタンダードプラン:0円 プレミアムプラン:5,500円 プレミアムプラスプラン:8,800円 フードビジネスプラン:12,100円 リテールビジネスプラン:15,400円 |
対応OS | iOS |
サポート | 電話サポート メールサポート ヘルプサイト |
スマレジは、高機能でありながらシンプルなデザイン設計が特徴のタブレットPOSレジです。
ストレスのない操作を実現できるため、忙しい現場でもスピーディーに対応可能。機能のカスタマイズ性の高さも魅力です。
「マネーフォワード クラウド」や「Shopify」といった外部システムと連携しているため、カスタマイズすればより利便性を高められます。比較的低価格なので導入もしやすいでしょう。
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STORESレジ
初期費用 | 無料 |
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料金プラン | フリープラン:0円 スタンダードプラン:2,980円 |
対応OS | iOS |
サポート | – |
STORESは、ネットショップと連動させて使えるタブレットPOSレジです。
アカウント一つで、ネットショップとPOSレジを連携できます。商品情報や在庫などを連携できるため商品管理がしやすく、売上分析もできるメリットがあります。
STORES決済アカウントを用意すれば、キャッシュレス対応も可能です。
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Square POSレジ
初期費用 | 無料※squareターミナル46,980円 |
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料金プラン | フリープラン:0円 プラスプラン:要問い合わせ プレミアムプラン:要問い合わせ |
対応OS | iOS |
サポート | 電話サポート メールサポート |
Square POSレジは、最短で申込当日から使用できるタブレットPOSレジです。
複雑な手続きは必要なく、オンライン上でアカウント登録するだけで使用可能。登録手数料や月額固定料は一切かからず、キャッシュレス決済発生時の決済手数料のみ発生するというわかりやすいシステムも魅力です。
売上管理はもちろん、顧客管理や勤怠管理、お客様専用ディスプレイとしての使用もできるのが便利です。
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POS+
初期費用 | 要問い合わせ |
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料金プラン | 15,400円〜 |
対応OS | iOS Android |
サポート | 365日電話サポート 駆けつけサポート |
POS+は、月間1,000店舗以上で導入されている高機能タブレットPOSレジです。
「小売店」「飲食店」「美容・サロン」の3つの業種それぞれに特化したPOSレジを提供しています。
売上管理や顧客管理などの基本機能はもちろん、複数店舗の管理や多言語対応、キャッシュレスなどにも対応可能。状況にあわせて後からオプションを追加できるため、安心して導入できるでしょう。
導入後は店舗スタッフへのトレーニングをはじめ、365日電話サポートと駆けつけサポートも用意しています。
ユビレジ
初期費用 | 無料※周辺機器別売り |
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料金プラン | お試しプラン:0円 プレミアムプラン:6,900円 |
対応OS | iOS(iPadのみ) |
サポート | 導入後サポート |
ユビレジは、多機能ながら直感的に使いやすいタブレットPOSレジです。
コンセプトである「カンタンがいちばん」の言葉どおり、ストレスを感じないシンプルでわかりやすい操作性が魅力。飲食業、小売業、サービス業の3つの業種それぞれにおすすめのプランが用意されています。
また、さまざまな会計システムや決済システムとの連携が可能なので、カスタマイズ性も高いと言えるでしょう。
Airレジ
初期費用 | 無料※iPad:49,800円〜 レシートプリンター:24,800円〜 キャッシュドロア:9,020円〜 |
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料金プラン | 0円 |
対応OS | iOS |
サポート | メールサポート オンラインチャットサポート |
Airレジは、基本レジ機能や月額費用は一切かからない、低コストで利用できるタブレットPOSレジです。
管理やサポートに関してもすべて無料なので、導入費用を極力抑えたい方におすすめ。Airペイを併用することで、専用のカードリーダー1台のみでさまざまな決済手段に対応できるようになります。
また、機能はシンプルで誰でも簡単に扱いやすいシステム。Airレジで会計するだけで、売上データが自動的に集計されるので便利です。
かんたん注文
初期費用 | 要問い合わせ |
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料金プラン | 要問い合わせ |
対応OS | iOS Android |
サポート | – |
かんたん注文は、月額0円から気軽に導入できる飲食店専用のタブレットPOSレジです。
注文から受け取りまでの流れをオンライン上で行うため、お客様の待ち時間減少やスタッフの人手不足解消につながるでしょう。
決済サービスや会計サービス、デリバリーサービスとも連携可能なので、より効率的に業務をこなせるようになります。
Padpos
初期費用 | 無料 |
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料金プラン | Padpos Free:0円 Padpos Lite:1,900円 Padpos:3,800円 Padpos+TenpoVisor:8,800円 |
対応OS | Android |
サポート | 電話サポート メールサポート |
Padposは、スマホでもタブレットでも使えるAndroid専用のPOSレジです。
Android端末は、iOS端末に比べ安価なので、導入コストも抑えられるでしょう。基本的なレジ機能に加え、ポイント管理機能や仕入・返品情報管理機能も搭載されています。
クレジットカードにも対応しているため、店内はもちろんイベント会場などでもカード決済処理をスマートに行えるのがうれしいポイントです。
CASHIER
初期費用 | 無料〜 |
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料金プラン | スタータープラン:0円 プロフェッショナルプラン:4,400円 モバイルオーダープラン:3,000円 |
対応OS | Android |
サポート | 電話サポート メールサポート |
CASHIERは、月額利用料0円で始められるAndroid専用のPOSレジです。
場所や時間を問わず、売上管理や在庫管理がリアルタイムで確認でき、モバイルオーダーやセルフレジにも対応。多機能なうえに、初期のセットアップや運用サポートは無料で、万が一ハードウェアが故障した際には無料交換もしてもらえます。
こうした手厚いサポートこそが、CASHIERの選ばれる理由の一つです。
タブレットPOSレジの費用を安く導入できる補助金制度
タブレットPOSレジの費用を抑えられる、3つの補助金制度があります。対象に当てはまる場合はぜひ積極的に利用してみてください。
- 小規模持続化補助金
- IT導入補助金
- 自治体の補助金事業
小規模持続化補助金
小規模持続化補助金は、POSレジ導入時に最大50万円まで支給される制度です。
対象は以下のとおりです。
- 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く):常時使用する従業員の数5人以下
- 宿泊業・娯楽業:常時使用する従業員の数20人以下
- 製造業その他:常時使用する従業員の数20人以下
小規模持続化補助金についての詳細は、公式ホームページをご確認ください。
IT導入補助金
IT導入補助金は、小規模事業者がITツール導入時に活用できる補助金です。
POSレジ導入においては、主に「通常枠」または「デジタル化基盤導入枠」が適用されます。
それぞれの最大補助額は、以下の通り。
- 通常枠:最大450万円(補助率最大1/2)
- デジタル化基盤導入枠:最大350万円(補助率3/4〜2/3)
各枠に関する詳細は、IT導入補助金の公式ホームページをご確認ください。
自治体の補助金事業
上記の補助金制度以外にも自治体が主体となって補助金制度を実施している場合があります。
各自治体によって細かい条件や金額は異なるため、お住まいの地域における自治体のホームページをチェックしてみてください。
もし、対象になる制度があれば活用しましょう。
まとめ:タブレットPOSレジは費用をうまくおさえて導入しよう
タブレットPOSレジは、持ち運びやすさやコスト面などから導入しやすいタイプのPOSレジです。
「タブレット端末をすでに所持している」「月額料金のかからないサービスを利用する」などの工夫をすれば、コストを十分に抑えられるでしょう。
機能や料金プランを比較しながら、自店舗に適したタブレットPOSレジを導入してください。