「費用を抑えてPOSレジを導入したい」
「レジスターだと事務作業に時間を取られるのでPOSレジに変えたい」
このように考える飲食店オーナーの方は少なくありません。
この記事では、個人飲食店向けのPOSレジに必要な機能やPOSレジの選び方を解説しています。限られた予算でPOSレジを導入する工夫も紹介しますので、POSレジの導入を迷っている方は参考にしてみてください。
個人飲食店向けのレジは3種類
個人飲食店に適したレジは3パターンあります。それぞれ特徴を解説します。
- ターミナル型レジ
- POSレジ
- セルフレジ・券売機
ターミナル型レジ
ターミナル型レジは、小売店やスーパー、飲食店などで広く導入されているPOSシステムです。
このタイプのレジには、レシート印字機能やキャッシュドロワーが搭載されており、操作が簡単で使いやすいことがメリットです。
導入費用が100万円ほどかかるという点は、多くの小規模事業者にとってハードルとなるかもしれません。
POSレジ
POSレジは、バーコード読み取り式の販売情報集積システムを搭載したレジです。
バーコード読み取りによって販売情報を正確に記録でき、何を、いつ、いくらで、何個販売したかといったデータを集積できるため手入力によるエラーや記録漏れを減らせます。
読み込んだデータは経営分析に活用できるため、ビジネスの戦略立案や効率化も図れます。POSレジは大手の小売店や飲食店から支持されているレジです。
タブレットタイプなら、初期費用は10〜20万円ほどしかかかりません。割高のタイプもありますが、比較的導入しやすいでしょう。
セルフレジ・券売機
セルフレジ・券売機は、顧客自身が決済を行うレジシステムです。
人件費削減できる一方で、追加注文がしづらいという課題や、導入コストの高さがデメリットです。
セルフレジは1回で注文が完結するため、テイクアウトがメインの飲食店やラーメン・定食のような単品注文がメインの飲食店に向いています。
個人飲食店に求められるPOSレジの機能6つ
個人飲食店のPOSレジに必要な機能は主に6つあります。それぞれ見ていきましょう。
- セルフオーダーシステム機能
- キャッシュレス決済機能
- 顧客管理機能
- 売上集計・分析機能
- 予約管理機能
- 複数の店舗管理機能
セルフオーダーシステム機能
個人飲食店はスタッフの数も限られているため、セルフオーダー機能があると便利です。
注文作業にスタッフを取られないばかりか、顧客の待ち時間も短縮できます。メニューをデータ管理できるため、新しい料理や季節ごとのメニュー変更も難しくありません。オーダーミスも減らせるため、サービスの質向上も実現できます。
セルフオーダーシステムがあるだけで店舗の効率性、顧客満足が両立できます。
キャッシュレス決済機能
キャッシュレス機能は飲食店に必須の機能です。
キャッシュレス非対応は、顧客の取りこぼしを招きます。現金のみの店舗は、特に若い顧客や観光客から避けられかねません。
さらに、現金を取り扱う際には釣銭不足や誤差、ミスの可能性がありますがキャッシュレス決済を導入すればリスクを軽減できます。
顧客管理機能
顧客管理機能も飲食店経営に必要な機能です。
POSシステムは顧客の購買履歴や来店履歴を管理し、これを活用して顧客に対するターゲティング型の販促活動ができます。特定の顧客に対して特別なオファーやクーポンを提供することで、リピート率の向上や売上の増加が期待できます。
売上集計・分析機能
売上の金額や数量だけでなく、細かなデータが蓄積できる売上集計・分析機能もあると良いでしょう。
商品別の売上動向や日程別の販売傾向などをいろいろな視点から分析できれば、売れ筋商品の再発注や季節に合わせたキャンペーンを展開するのに役立ちます。在庫も正確に把握できるため、廃棄ロスを軽減できます。
予約管理機能
予約管理もPOSレジで一元管理できます。
飲食店では、予約を電話やWeb、ポータルサイトなど複数の窓口で受け付けています。
POSレジを用いた予約管理により、ダブルブッキングの防止にもつながります。予約対応にスタッフを取られなくなるため、人件費の削減にも期待できるでしょう。
複数の店舗管理機能
複数店舗がある飲食店は、各店舗のデータ管理や在庫管理、売上分析、従業員スケジュールの調整が一括でできる機能があると便利です。
データの一元管理により価格設定やプロモーション戦略を統一でき、ブランドの一貫性を維持できます。
また、複数店舗間でのデータが統合されることにより、より多くのデータを蓄積し分析に生かせるでしょう。
同じシステムを利用するのでスタッフへの教育が短縮できるメリットもあります。
個人飲食店向けPOSレジの選び方
飲食店向けPOSレジの選び方を3つ紹介します。
- 外部システムとの連携可否で選ぶ
- 店舗の規模感に合わせて選ぶ
- 飲食店向けの機能有無で選ぶ
外部システムとの連携可否で選ぶ
個人飲食店向けPOSレジを選ぶ際、外部システムとの連携できることが必要です。すでに導入している会計ソフトやレシートプリンタ、オーダーシステムと互換性があればデータの一元管理がスムーズにできます。将来的にサービス内容が変化した際も互換性や拡張性があれば最低限の費用で対応できます。
たとえば、オンライン決済やデリバリーを導入した際も外部システムと連携できればすぐにサービスをスタートできます。
店舗の規模感に合わせて選ぶ
店舗の規模に合ったPOSレジを選ぶことは、コストの面でも大切です。
小規模なカフェや居酒屋では、高額なPOSシステムは経済的に負担が大きいでしょう。
必要な機能を絞って月額費用や初期投資を抑えることで、小さな飲食店でもPOSレジの導入が可能となります。
シンプルな機能だけ利用するなら、月額費用0円で利用できるPOSレジもあります。
他にも、都度料金のPOSレジなら、会計が発生しないときは利用料がかりません。自分の店舗に合ったPOSレジを選んでコストを抑えましょう。
飲食店向けの機能有無で選ぶ
飲食店に特化したアプリを選ぶことは非常に重要です。飲食店には、ならではの業務がある一方で、必要のない業務もあります。
【飲食店に必要のある機能】
- デリバリー
- 別会計
- キッチンとの連携
【飲食店に必要のない機能】
- 電子カルテ
- 買取
飲食業界に特有の機能が含まれている特化型のPOSレジアプリなら、業務の効率化につながるでしょう。
飲食店の業態別|おすすめのPOSレジ
飲食店といっても、その業態はさまざまです。店舗の業態別におすすめのPOSレジ機能を解説します。
- 個人経営の飲食店
- 複数店舗展開している居酒屋など
- テイクアウトがある店
- キッチンカー・イベント出店
個人経営の飲食店
個人経営の小規模な飲食店では、タブレット型POSレジがおすすめです。
タブレットPOSレジを導入するメリットの1つは、既存の手持ちのタブレットを活用できることです。
すでに所有しているタブレットにPOSアプリをインストールし、必要なアクセサリーとしてキャッシュドロワーやバーコードリーダー、レシート印字機を追加するだけで、POSシステムを即座に導入できます。
個人飲食店は限られた予算と人材で運営していて、タブレットPOSレジはそれらの両立が可能です。
複数店舗展開している居酒屋など
複数店舗展開している居酒屋などの飲食店において、POSレジやタブレットPOSレジがおすすめです。
売上管理や勤怠管理が一元化でき、効率よく管理業務ができます。
また、多店舗展開する場合、各店舗でメニューや価格を一貫性を持って管理することが大切です。POSシステムを統一して使用することで、メニューアイテムや価格設定を中央から管理し、変更点を簡単に各店舗に反映できます。
テイクアウトがある店
テイクアウトも展開している店舗では、POSレジかタブレットPOSレジがおすすめです。
商品やメニューアイテムをあらかじめ登録できるため、注文を受けた際の会計時間を短縮できます。追加注文やカスタマイズについても、商品があらかじめ登録されていればミスや漏れのリスクが軽減できます。POSシステムは、正確なオーダーの反映をサポートします。
キッチンカー・イベント出店
キッチンカーや催事にはタブレット型POSレジがおすすめです。
時短、省スペース、カスタマイズ性に優れているためです。事前に登録されたメニューを選択するだけで、即座に会計できて、待ち時間を最小限に抑えます。
長蛇の列ができるイベントやランチタイムに混むキッチンカーで効果を発揮します。省スペースのため狭い車内でも邪魔になりません。必要な機能だけをカスタマイズできるのも、柔軟性が必要なイベント出店に向いています。
個人飲食店向けのPOSレジおすすめ8選
それでは、個人飲食店におすすめのPOSレジを8つ紹介します。
スマレジ
画像出典:スマレジ
運営会社 | 株式会社スマレジ |
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主な機能 | モバイルオーダー 決済端末 会計ソフト連携 |
初期費用 | 0円 |
月額費用 | スタンダード:0円~ フードビジネス:12,100円 リテールビジネス:15,400円 |
公式サイト | https://smaregi.jp/ |
スマレジは、iPadやiPhone向けのタブレット型POSレジです。
基本的なレジ操作から、売上データのリアルタイム分析、高度な在庫管理など、多彩な機能を提供しています。
さらに、1店舗だけで使う場合、最大3台の端末を月額費用0円で利用できるというコスパの良さも魅力です。
121,000店舗以上のさまざま業種で導入実績があり、365日体制でトラブルに対応する強力なサポートも個人経営には心強いサービスです。POSレジの利用で迷ったらスマレジを検討してみてください。
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STORESレジ
画像出典:storesレジ
運営会社 | STORES株式会社 |
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主な機能 | 商品・在庫の管理 売り上げ分析 ネットショップとリアル店舗の連携 |
初期費用 | 0円~ |
月額費用 | フリープラン:0円~ スタンダードプラン:2,980円 |
公式サイト | https://stores.jp/regi |
STORESレジは、iPad専用のPOSレジアプリで、ネットショップと連携できることが特長です。
商品情報や在庫、注文などがネットショップとリアル店舗間でリアルタイム反映できるので、正確な在庫管理と売上管理が実現できます。
STORESレジは、直感的な操作性がシンプルで使いやすいとIT初心者にも好評です。
また、STORES決済との連携により、キャッシュレス決済もよりスムーズに行えるでしょう。
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Squareレジ
画像出典:Squareレジ
運営会社 | Square株式会社 |
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主な機能 | 売上管理 顧客管理 お客さま専用ディスプレイ 勤怠管理 複数店舗の管理 eギフトカード |
初期費用 | 0円 |
月額費用 | 0円 ※手数料あり |
公式サイト | https://squareup.com/jp/ja/point-of-sale |
Squareレジは、アカウントを登録するだけで即日から導入できるシンプルなPOSレジアプリです。
登録手数料や月額固定費はかかりません。キャッシュレス決済が発生したときだけ決済方法に準じた手数料がかかります。手数料は決済回数で変わってきますが、基本はクレジットカード3.25%、電子マネー・手入力の手数料は3.75%です。
なお、年間取引高が2,500万円以上になると、都度手数料ではなく、月額料金で利用ができます。
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はんじょうPOSレジ
画像出典:はんじょうPOSレジ
運営会社 | 株式会社スカイダイニング |
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主な機能 | 売上管理 顧客管理 シフト管理 給与計算 不正防止 |
初期費用 | 298,000円〜 |
月額費用 | 10,000円〜 |
公式サイト | https://introduction.hanjouposregi.com/ |
はんじょうPOSレジは、飲食店勤務・経営経験が豊富な代表がつくった飲食店向けPOSレジ。運営会社は、複数の飲食店を全国展開しているスカイダイニングです。
飲食店の業務は、1台で完結できるように設計されています。
従業員の不正は飲食店出身ならではの視点で会計だけでなく勤怠の不正も監視します。
Wi-Fi環境の整備からネットワークトラブル対応まで行ってくれるため、ITに疎い飲食店でも安心して利用できるでしょう。
ユビレジ
画像出典:ユビレジ
運営会社 | 株式会社ユビレジ |
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主な機能 | データ分析 簡単操作 キャッシュレス決済 |
初期費用 | 要問い合わせ |
月額費用 | 6,900円 |
公式サイト | https://ubiregi.jp/ |
ユビレジは、iPad専用POSレジです。
周辺機器のリースで利用できるため、初期投資を抑えられます。導入後も安心して利用できるように、無料のメールサポートが365日利用できます。
導入時には、ユビレジプレミアムプランの利用料、ドロワ一体型レシートプリンタのレンタル、そして基本情報(メニュー内容や価格)の入力まで、無料で代行してもらえます。
1ヶ月間のお試し期間もあるため慎重に導入を検討できるでしょう。
Padpos
画像出典:Padpos
運営会社 | 株式会社ビジコム |
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主な機能 | 商品管理 在庫管理 顧客管理 ポイント管理 仕入、移入・移出、返品 |
初期費用 | 0円~ |
月額費用 | 0円~ |
公式サイト | https://www.padpos.jp/ |
Padposは、Android専用POSレジアプリです。
Android端末は、機種変更などで使わなくなったハードやSIMフリー版などを利用すればiOS端末に比べて費用が安く済むのがメリットです。
Wi-Fi環境があればBluetoothで無線利用できるのが特徴です。
1時間ごとに自動でバックアップするので、過去の取引、売上、在庫情報などの重要な情報を保護し、誤消去やデータ喪失のリスクを軽減できます。
クラウド保存のため別のPCからもアクセス可能で遠隔地からも店舗管理ができます。
blayn
画像出典:blayn
運営会社 | ブレイン株式会社 |
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主な機能 | 売上管理 顧客管理 お客さま専用ディスプレイ 勤怠管理 複数店舗の管理 eギフトカード |
初期費用 | 30,000円~ |
月額費用 | 0円 |
公式サイト | https://www.blayn.com/ |
blaynは、飲食店専用のPOSレジです。汚れや衝撃の多い飲食店に対応できるように、耐用年数が長く設計されているのが特徴です。
飲食店のニーズに合わせた機能も提供しており、タイマー機能を通じて注文のタイミングを正確に把握できます。個別会計やクーポン登録機能も備えており、顧客へのサービス提供をカスタマイズできます。
また、印刷物のデザインも簡単に変更でき、メニュー表や領収書のデザインをシーズンやプロモーションに合わせて調整できます。
ボタン1つでレジ締め完了、紙1枚にプリントされて見やすく管理できます。会計ソフトとの自動連携や不正防止アラートも飲食店には嬉しい機能です。
POS+food
画像出典:POS+food
運営会社 | ポスタス株式会社 |
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主な機能 | 売上管理 顧客管理 テイクアウト・デリバリーオーダー管理 スタッフ管理 本部管理 |
初期費用 | 要問い合わせ |
月額費用 | 6,000円 |
公式サイト | https://www.postas.co.jp/service/postas-food/ |
POS+foodは、飲食店のために作られたPOSレジ。テイクアウト、セルフオーダー、モバイルオーダーなど、飲食店業界独自の機能を豊富に備えています。
初めてPOSシステムを導入する方でもすぐに使えるような直線的な操作性が人気のポイントです。決済端末とディスプレイが一体型で場所を取りません。さらに、レシート紙やインクカートリッジなどの消耗品も豊富に揃えられており、POSシステムの運用に必要な資材を手軽に入手できます。
個人飲食店がPOSレジを導入するなら補助金の活用がおすすめ
個人経営の飲食店にとって、十数万円の導入費用は大きな負担になるでしょう。
補助金を活用すれば経済的な負担を軽減できます。POSレジ導入に使える補助金を解説します。
IT導入補助金
IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者を対象とした事業の拡大に欠かせないITツールの導入を補助する支援制度です。
POSレジの導入で利用できるのは、「通常枠」もしくは「デジタル化基盤導入枠」の2つ。
補助金の支給額は5万円から最大350万円までです。補助率は機能の数に応じて変動します。1つ以上の機能を導入する場合は補助率が4分の3、2つ以上の機能を組み合わせる場合は補助率が3分の2となります。
また、PC、タブレット、プリンタ、スキャナ、およびそれらの複合機器に対する補助率は1/2以内で、最大補助上限額は10万円です。
さらに、レジ、券売機などに対する補助率も1/2以内で、最大補助上限額は20万円です。
業務改善助成金
業務改善助成金は、賃金引き上げと設備投資を同時に実施することが条件とされています。
補助金の支給額は、30万円から最大600万円まで幅広く、助成の上限額は賃金引き上げの金額と労働者数に応じて変動します。
ものづくり補助金
ものづくり補助金は、中小企業の設備投資をサポートする助成金です。
POSレジの導入に使えるのは「一般型」。50万円を超える設備投資を実施した場合、100~1000万円を上限に、実際の経費に補助率をかけた金額がそのまま支給されます。
受給の条件として「給与総額を3~5年間で年平均1.5%以上増加」「年平均3%以上の付加価値増加」などをクリアしなければなりません。
クリアできなければ補助金の返還が求められる可能性があります。
まとめ:個人経営の飲食店ならPOSレジを導入して経営を改善しよう
個人経営の飲食店には、タブレット型POSレジがおすすめです。
必要な機能だけを低コストで使えてテーブル注文・テーブル会計にもタブレットが使えます。
タブレット型POSレジは、顧客の待ち時間短縮につながり、たくさんのメリットがあります。タブレット型POSレジを導入して、スマートな飲食店経営を実現させましょう。