昨今はWebサイト内に入力フォームを設置してユーザーを誘導する手法が当たり前となっています。
入力フォームの運用は、ユーザーの離脱を防止しいかにコンバージョン率を高めていくかが重要で、その手法として知られるのがEFOです。
本記事ではEFO実施のメリットから、具体的な改善ポイントまで解説していきます。
この記事の内容
EFOとは?
EFOはEntry Form Optimizationの略称で、入力フォームの最適化を意味します。
入力フォームを最適化するということなので、フォーム入力に関する様々の項目を改善することで、ユーザーの利便性を向上、離脱を防止し、アクションを完了してもらうために行うのがEFOという手法だということになります。
EFOが重要な理由
インターネット・スマホが普及した昨今、Webサイト上のリード獲得という手法が主流になっており、入力フォームは申込みや購買を決める重要要素のひとつで、売上に与えるインパクトも非常に大きいです。
ユーザーが入力フォームまで到達しているということは、ある程度高い購買や申込み意欲があることの表れです。一方で、入力フォームまで辿り着いたにも関わらず、フォームの使い勝手が原因で70%以上のユーザーが途中離脱してしまうという調査データもあります。
広告戦略やLPOにいくら注力しても、最終段階である入力フォームで離脱されてしまえばそれまでの努力が水の泡となってしまいます。逆にいえば、入力フォームを数%でも改善することで、同じ広告費用や同じ品質のLPでも全体の費用対効果を大きく上げることが可能になるのです。
また昨今はUX(ユーザーエクスペリエンス)の向上が重視されていて、SEO評価の観点でも重要な要素になっています。EFOはUX向上の観点でも取り組みが必須といって過言ではないでしょう。
EFOで改善すべき具体的なポイント8つ
ここからはEFOで改善すべき具体的なポイントについてみていきますが、前提として理解しておいていただきたいのが、ユーザーの視点にたって改善を行うことが重要ということです。
EFOはユーザーを騙すようなテクニックではなく、実際にユーザーがフォームを利用した際の利便性を向上するために行うものです。扱う商材やサイトの構造によって、行うべき施策は異なるため、ユーザーの視点にたって改善ポイントを探さなければ本質的な改善になりませんし、下記で紹介するポイントをいくら改善しても商品・サービスそのものに魅力がなければ売上には繋がらないでしょう。
それでは具体的にどのような点で入力フォームの改善を図っていけばよいのか、下記8つのポイントにわけて具体的に解説していきます。
- フォームの項目数を減らす
- フォームの段階を減らす
- 必須項目と任意項目をわける
- 入力例を表示する
- エラーメッセージを表示する
- 入力内容を記録する
- ボタンの設置位置、文言、デザインを工夫する
- ページの読み込み速度を改善する
フォームの項目数を減らす
まずはフォーム項目数を最低限に減らしましょう。
フォーム項目数が多いと、入力途中で疲れてしまったり、そもそもフォームをみた時点でやる気をそがれて離脱しやすくなってしまいます。
また昨今はスマホを利用するケースが多いですが、フォームの項目数が多いとフォーム全体が長くなり、スクロールが必要になってユーザーに余計な負担をかけてしまいます。
不要な項目はできる限り削って、スクロールの必要がなく1画面にすっきりおさまるようなフォームに仕上げるのが理想です。
必須項目と任意項目をわける
上でフォーム項目数は減らすべきと解説しました。ユーザーにとって本来入力する必要がない項目は設置しないようにするのが、利便性向上の観点では当然の対応となるでしょう。
一方で、企業側の都合として、フォーム入力を活用してユーザーの情報をできるだけ多く取得したい、と考えることもあるでしょう。
そういった場合は、フォーム項目を必須項目と任意項目にわけるのが有効です。
項目を分ける際は、必須項目なのか任意項目なのかわかりやすく表示する工夫が大切です。必須項目を入力しないまま完了ボタンを押してしまうとエラー表示となり、離脱率も高まります。必須項目は太字や赤字などのカラーで目立たせるとよいでしょう。
フォームの段階を減らす
フォームの段階が複数ページに分かれている場合は注意が必要です。
入力のフローが長く遷移が必要なページが多いと、離脱の機会が増えるだけでなく、ページの読み込み待ちの時間などユーザーにストレスを与える要素が増えてしまいます。
ページをわける必要が本当にあるのかどうか再考し、ページを遷移させるようなフォームの段階は極力減らすとよいです。
どうしてもページ遷移させる必要がある場合は、あと何ページで入力完了となるのかをフォームの上部に表示するなどして、入力の進捗状況を可視化しユーザーの心的負担を軽減してあげることが有効です。
入力方法の指定や入力例を表示する
入力内容に決まりがあったり、内容がわかりづらい項目の場合は、入力方法の指定や入力例を表示しておくと親切です。
例えば
- 氏名の間にはスペースが必要かどうか
- 電話番号にはハイフンが必要かどうか
といった情報は、項目名だけみても判断できないでしょう。項目の横に入力方法の指定を表記したり、入力例を表示しておくことで、ユーザーはどのような方法で入力すればよいか理解しストレスなく入力することが可能になります。
エラーメッセージをすぐに表示する
入力方法の指定や入力例をいくら丁寧に表示していても、入力ミスは起こりえます。
入力ミスをカバーするための手法としては、入力ミスが起きた後”すぐに”エラーメッセージを表示してあげることです。
すべての入力を終えて完了ボタンを押した後にエラーメッセージが表示される形だと、どこを間違えたのか瞬時に判断できなかったり、「終わったと思ったのにまた入力し直しか…」とやる気を削いでしまって離脱に繋がりやすくなります。
入力内容を記録する
ユーザーが確認画面に遷移した後、氏名や住所などの打ち間違いに気づいて入力ページに戻るケースも考えられます。
その際に入力内容がリセットされていて一からやり直しとなってしまえば、申込みを諦めてしまうかもしれません。
入力内容は記録しておくようにし、ユーザー原因のミスもカバーしてあげられるような設計にしておくことが望ましいでしょう。
ボタンの設置位置、デザイン、文言を工夫する
入力フォームにおいてボタンは最重要要素です。
設置位置は基本的には項目の最下部とするケースが多いですが、項目数やページ数によっては最上部に設置したり横側に設置したりと有効な位置は異なります。実際に利用するユーザーの視点にたって、どこなら一番スムーズにクリックしたくなるか考えてみましょう。
デザインは、わかりやすくシンプルで、目立つものが良いです。コーポレートカラーやサイトカラーに合わせつつ、無駄な装飾はひかえて、見つけやすくてストレスなくクリックしてもらえるようなデザインを心がけましょう。
ボタンの文言については「セミナーに申し込む」「次のページへ進む」など、アクションの内容がわかるようなものに設定するのがおすすめです。一方で「利用規約に同意して申し込む」などアクションを躊躇させてしまうような表現は控えておくのが無難です。
ページの読み込み速度を改善する
ページの読み込み速度の改善も重要です。
特にフォームを使用しているページは重たくなりやすく、送信したのになかなか完了画面に遷移せず諦めてしまうというケースも散見されます。
フォームそのものの改善というよりはページ全体の改善の話にはなりますが、ページの読み込み速度改善については下記記事で詳説しているので、合わせてチェックしてみてください。
Webページの表示速度が遅い!?計測方法と今すぐできる改善方法を徹底解説EFOの実施は専用ツールの活用がおすすめ
ここまでEFOの具体的な改善ポイントをみてきましたが、実際に改善を行っていくにあたっては専用のEFOツールの活用がおすすめです。
ツールを利用しないとシステム全体を手作業で変更する必要がでてくる点も多く、技術者であればよいですが不慣れなWeb担当者には荷が重いでしょう。
本項ではEFOツール活用のメリットを下記3点ご紹介します。
導入・設置を手軽に行える
第一に、EFOツールはツールの導入・フォームの設置が手軽に行えることが大きなメリットです。サイトにタグを埋め込むだけで簡単に設置が可能です。
導入費用はいくらか発生しますが、0から開発してフォーム設置する手間を考えれば、知識の浅い担当者にとっては大きな費用対効果向上につながるのではないでしょうか。
機能のカスタマイズも簡単
専用のEFOツールは、搭載されている機能が豊富でカスタマイズを簡単に行なえます。
レイアウトやフォント、アイコン設定といった見た目のカスタマイズに加え、自動入力やエラーメッセージ等の入力補助機能なども追加することが可能です。
スマホや複数デバイスに対応可能
昨今はスマホやタブレットを利用するケースが増えており、入力フォームについても複数デバイスに対応することが求められています。
EFOツールであれば、スマホはもちろん複数デバイスに対応したフォームを手軽に設置することが可能になります。
まとめ
EFOはサイトの最終成果に近い位置にある入力フォームを改善するという意味で、非常に有効な施策となります。
今回はEFOの具体的な方法について解説してきましたが、すべてが貴社のフォームにあてはまるものではなく、扱う商材やサイトの構造によって施策の優先度は異なります。
ユーザーの視点にたって、よりスムーズに入力してもらうにはどうすればよいかを考えながら、フォームの最適化を図っていきましょう。